めぐるコラム

病気の時の備え ~食事と漢方~

梅雨に入り災害級の大雨が降ったり、雨の日が多かったりと梅雨らしい天気が続いています。
低気圧や湿度の多い日は、普段健康な人でも何だかだるかったり気持ちが沈んだりしますが、困るほど体調が悪くなる人も少なくありません。この時期に【身体の中の湿を取る】目的の漢方を求めて来られるお客様もよくいらっしゃいます。
なぜか夏になると、明け方に『ふくらはぎがつる』ことが多くあります。筋肉がつる原因は1つではありませんが、夏場は水分不足による場合が多いと思います。汗をかくので水分が不足してくると、血の中の水を使い始めます。すると気血の動きが悪くなる(瘀血)ので痛みの原因の1つとなります。漢方では、こむらがえりに直接即効性のあるものもあれば、瘀血の掃除のお手伝いをすることものもあります。

お客様の中で、普段のお困りの症状のご相談とは別で、風邪などの体調不良のご相談に来られる方も少なくありません。
最初は咳や頭痛、お腹の痛みなどの軽い症状のご相談でなので3日から1週間くらいの漢方薬をお出しします。
ほとんどの方はそれで『良くなりました』と終わるのですが、どんどんいろんな症状がでてきて家族全員で寝込んでしまったのでどうしましょう、というご連絡を受けることもあります。
薬で考えられることはやりつくしたので、あとは食事で養生してください、と言うと『何を食べたらいいのですか?』と聞かれます。
めぐる漢方薬局では大抵のご相談には食養生のお話もしています。『しんどい』とはいえ身体が動く時は何とか考えたり買ったり作ったりで用意できるものですが、風邪などで熱が出たりお腹が下ったりした時は、もう『養生ごはん』どころか簡単な食べ物を用意することすら難しくなります
誰かが用意してくれたら何とか食べられるものですが、自分で用意するとなると大変です。でも、病気の時ほど『養生ごはん』は必要です。
そこで提案です。災害時の備えにいくつか食料や飲料を備蓄するように、病気になった時のために普段から『養生ごはん』を備えてはいかがでしょうか。例えば
大鍋で丸ごと野菜(旬のもの・余っているもの・玉ねぎ人参キャベツなど)を水から煮ておく。スープは塩のみで味付けしたりコンソメ顆粒などで味を付けたりで、下痢の回復時に使えます(お粥やうどんより下痢にはやさしい)。回復してきたら野菜も潰してポタージュスープにしたらちょうど良いです。これは離乳食にも使えるので、かなり汎用性があります。
桃やみかんの缶詰・バニラアイス
熱がある時に良く、長期保存ができるのがよいですね。
豆や野菜などがたっぷり煮込まれたスープ(レトルトパウチ)。
しんどい時の手軽な養生ごはん。長期保存可能。
冷凍ご飯・冷凍うどんなどと、鍋スープなど。
スープにご飯やうどんを入れて、卵や野菜など入れられたら簡単ごはん。

スープは簡単でおいしく、栄養の吸収がよいので病気の時ほど取り入れたいものです。
できれば買ってきた揚げ物などは避けたいので、せめて上記のようなものを常備しておくと病気の時に役立ちますし、期限が迫ったら普通においしくいただけることも良いところだと思います。
元気な時も、具だくさんのスープ・旬の食材のスープは身体に良いものなので普段から摂り入れることをお勧めします。

病気や不調を治す・改善するためには薬はもちろん必要ですが、食事もとても大切です。
お食事で悩まれている方は、漢方薬と併せて取りいれてみてもよいかと思います。
めぐる漢方薬局にご相談ください。