めぐるコラム

新型肺炎治療 ~中医学も活用~

新型コロナウイルスが猛威をふるいだし、小中高校が一斉休校になるなど、日本中にも大変な影響をもたらし始めています。
いつまで続くことか、恐怖やうんざり感でいっぱいですね。
トイレットペーパーやティッシュペーパーが無くなるなどのデマに惑わされないように、平常心で過ごしていきたいものです。
3月1日の中日新聞朝刊での話題ですが、中国当局や官製メディアでは新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の治療をめぐり、中国伝統医学の『中医学』の活用実例を盛んにPRしているそうです。
西洋医学からは中医学を用いた治療法に疑義を呈する向きもあるそうですが、国策として中医学を推進したい中国政府の思惑も絡み、PRに拍車がかかっているようです。
中医学と西洋医学を融合させ、より優れた治療法や治療薬を見つけないといけない』というのが習近平国家主席の指示だそうです。
政府は、中医学を歴史の中で育んできた中国固有の知的財産と捉えて重要視して、習近平氏はその知的財産を新型コロナウイルスの治療に活用するよう大号令をかけたそうです。
中国メディアによると、湖北省の医療機関では、西洋医学の治療と組み合わせ、患者の症状に合わせた漢方薬が処方され、発熱や炎症を抑制する効果が見られたそうです。
中医学・漢方薬を扱う者として、大変うれしい内容の記事ではありますが、少し懸念もあります。
中国のような大国が『漢方薬を扱う』ように大号令をかけると、日本で手に入らない、入りづらい生薬や原料が出てくるのではないかという不安が出てくるのです。
実際牛黄などは以前から中国富裕層の買い占めにより、価格が高騰しています。
中医学・漢方薬が優れていることが認められることは大変うれしいことですが、弊害が出てこないか心配です。