めぐるコラム

漢方薬は高価い? ~どのくらいかかりますか?~

新型コロナウイルスの感染の勢いが止まりません。
旅行や外食も1度勢いがついたので、もう1度人の流れを止めることは容易ではないと思います。
個人個人で気を付けることも限界がありますが、『できることはやる』という気持ちを持って行動することは大切だと思います。

漢方薬局を開設してから、よく質問されることが『1日分はいくらかかりますか?』『1ヶ月分はいくらかかりますか?』『保険は使えますか?』という金額に関する内容です。
漢方薬局自体がまだまだ『あやしい』『よくわからない』『高価い』というイメージがあるようで、初めてご利用を考えている方は心配なようです。
実際漢方薬は『あやしい』ことはないと思います。『よくわからない』のは確かです。かなり勉強しても理解は難しいものです。漢方薬を選ぶ時にはまず『証』を見極めなくてはなりませんが、人の証を見極めることは、知識だけではなく経験も積まないとできません証とは、その人固有の『体質』『見た目』『病態』の特徴を総合的にみたものです。
『高価い』ことも、感じ方は人それぞれですがやはり『高価い』と感じる方が多いようです。
漢方薬局は『保険は使えない』ので実費でのお支払いとなります。漢方薬を保険で購入するには、病院で医師に診断してもらった上で処方箋を出してもらわなければなりません。保険適用の漢方薬はあまり数が多くはないので『証』に当てはまる漢方薬を出してもらえない場合もあります。
漢方薬は生薬からできています。生薬というと草木根などの植物系のものを連想されるかと思いますが、実はもっと様々な種類があります。例えば石膏・琥珀・牡蠣・竜骨など鉱物系の生薬は精神鎮痛作用や強力な清熱作用を持つものが多くあります。
鹿茸(鹿の角)・牛黄(牛の胆石)・海馬(タツノオトシゴ)・亀板(亀の甲羅)・紫荷車(胎盤)など動物系の生薬は『精』を補う力が強く、滋養強壮の作用が早く強く得られるものが多くあります。
鉱物系も動物系も草木根など植物系の生薬も、たくさんの量が必要です。そのたくさんの生薬を煎じて1度乾燥させ、賦形剤(乳糖やデンプンなど)に吸着させたものが『エキス剤』といいます。医師の処方箋で多く扱われる『ツムラの漢方薬』でお馴染みの粉状のものも『散剤』『エキス剤』です。
生薬を煎じたままの液体が焙煎コーヒーとしたら、散剤・エキス剤はインスタントコーヒーと例えると分かりやすいと思います。
漢方薬を作る生薬は特殊なものが多い上に、大量に使って煎じるためにどうしても高価になってしまいます。そこが西洋薬とは違うところでしょう。ですから漢方薬はどこで購入してもある程度高価だと思われる価格になっていると思います。
漢方薬は本人の体質や症状に合っていて、適切なタイミングで服用すればキチンと効果を発揮します。
それを見極めて、お客様にとってベストな漢方薬をお出しするのが漢方薬局だと自負しています。
めぐる漢方薬局ではおよその目安としては1日3回飲んでいただくとして、1日300円・1ヶ月1万円くらいが目安です。
お客様の証によってお安くなることもありますし、ご予算に応じてご希望に添えて、なおかつ効果は発揮できるような漢方薬をご提案できるように知恵を絞っています
漢方薬は西洋薬とは違い『飲んだらスグ効く!』ものはあまりありません。
漢方治療の基本は、原因を究明し、それに基づいて内臓などの機能を正すことで根本改善を促すものです。そのためには3ヶ月くらいを目安に飲み続けないと、効果を実感できません(これも人それぞれで、3週間くらいで効果を実感する方もいます)。
このような理由などで漢方薬はどうしても『高価』と感じられる方が多いかもしれませんね。
漢方薬の特性をご理解いただけた上でお試しになられると、ご利用しやすいかと思います。