めぐるコラム

コロナという悪鬼 ~お屠蘇で退散⁉~

2020年も12月となり『もう年末⁉』と驚く人が多いようです。コロナに始まってコロナは収束どころか拡大しつつお正月を迎えることになりそうです。あまり楽しい話題が無く、ストレスを溜める人も増えています。
元旦にいただくお酒『お屠蘇』のお話です。
無病長寿を願って飲まれるお屠蘇の由来は『蘇』という悪鬼を屠る、という説や、邪を屠り生気を『蘇生』させるという説があります。
現代ではお屠蘇を飲むというと単に日本酒を飲むことを指す場合もありますが、本来は『屠蘇散』『屠蘇延命散』と呼ばれる5~10種類の材料を配合したものをお酒や味醂(みりん)に漬け込んだものです。唐の時代の中国から伝えられ、平安貴族の正月行事に使われて、江戸時代には一般庶民の口にも入るようになるまで広まりました。
【屠蘇の中身の一部】
白朮(びゃくじゅつ) 肉桂(にっけい) 山椒(さんしょう)
桔梗(ききょう) 浜防風(はまぼうふう) 陳皮(ちんぴ) 山帰来(さんきらい)
このように、漢方薬でよく使われる生薬が屠蘇散の中身です。今年は『鬼滅の刃』が大ブームとなり、日本古来の布柄などもブームとなっています。来年のお正月は『コロナ』という悪鬼を屠る、という願いを込めて、日本古来の屠蘇散を漬け込んだお酒や味醂を楽しんでみてはいかがでしょうか?