めぐるコラム

犬の抜け毛・下痢 ~犬条虫症後のケア~

何度かご紹介していますが、我が家にはミニチュアダックスフンドがいます。ロングヘアーで毛色はブラックタン。♀で現在17歳9か月です。人間の年齢では88から90歳くらいでしょうか。
高齢ですが、割と健康で食欲も旺盛です。ゆっくりですがふつうに歩けますし、いわゆる認知症などの症状もほとんど出ていません。ちょっとした老化現象はありますが、生活に困るほどではありません。
そんな彼女ですが、時々皮膚病などにかかることもあり、そのことは以前のコラムでも紹介しています。
今回は2020年1月の後半くらいからのお話です。その頃から、いわゆる『鼻づら』の毛がどんどん抜けてしまい、あっという間に鼻づらの上部前半分がつるつる状態になってしまいました。冬はあまり飲まない水もがぶがぶ飲むので、調べてみるとどうも『ホルモンバランスの異常』が原因ではないかということで
動物病院で診ていただくことにしました。やはり先生も『ホルモンバランスの異常が原因』ではないかとの診立てで、ホルモンの分泌を促す薬が出されました。それを3日程飲ませたら下痢が始まりました。3日程様子を見ましたが、どんどん下痢は酷くなり、食欲はあるのに瘦せてしまいました。動物病院に問い合わせましたがホルモンの薬が原因とは考えにくい、と言われました。もう一度病院で診てもらおう思っていた時にまた便をしました。片付けようとちかづいたら、何やら便に白く長い米粒のようなものが…。しかも動いている!!
あまりに気持ち悪いので、思わずすぐに捨ててしまいましたが、本当はその便を保管して病院に持っていくか、写真を撮れば良かったようです。なにも無いと診断が難しくなるようです。
動物病院で一連のことを告げると『犬条虫症』だと思いますと告げられました。いわゆる『サナダ虫』が犬のお腹に寄生している状態です。割と一般的な寄生虫症で、主に蚤などから伝染ることが多いそうです。
下痢を止め、駆虫薬を与えました。下痢で落ち着かない日が続いていたのでとても疲れていたのでしょう。翌日もご飯の時間以外は丸一日寝ていました。
抜け毛も水の多飲も下痢も『犬条虫症』の症状の1つです。駆虫薬を与えたので、これで原因は取り除かれると思い、中医学治療を始めることにしました。毎食前に乳酸菌とスクワランカプセルを与えます。抜け毛部分にはスクワラン&マスティックのリキッドを塗り込みます。
始めて2週間くらいで『つるつる』だった鼻づらの皮膚がきれいに落ち着いてきました。それから10日後くらいして禿げた部分の周りから少しづつ毛が生えてきたのです!それから全体にパラパラと毛が生えてきて、今では6割方元通りになってきました。以前ほどみっしり密集した状態はまだまだですが。
皮膚も光ってつるつるでちょっと病的な感じだったのが、落ち着いた健康な皮膚になってきました。
下痢も段々と収まってきて、今ではいかにも『健康な腸!』という便に変わりました。
やはり皮膚の健康には腸内環境を整えることが大切だとわかります。
病気自体を治した後のケアは、やはり中医学は得意とするところだと思います。